あなたは現在マイホームに住んでいますか。
それとも賃貸に住んでいますか。
もし賃貸であれば毎月家賃を払わなければいけません。
毎月の家賃をどうにか安くできないかと考えたことはありませんか。
今回は法人を使って賃貸を実質2~3割引きで借りる方法について解説していきます。
結論
法人で賃貸を借りて、役員社宅として役員に貸すことで実質2~3割引きになります。
法人で賃貸を借りるとは
皆さんは賃貸を借りるときにどうやって借りていますか。
多くの方は不動産仲介業者に行って契約書に自分の名前を書いて契約をするかと思います。
実はあれば個人名義で賃貸の契約をしているということなんです。
賃貸を借りるときはほかにも借り方があり、それが法人名義で契約をするということなのです。
この時に契約書には法人の名前や印鑑を使用します。
例えば大きな商業施設やビルに会社が入っていることはありませんか。
あれば法人がテナントを借りている場合が多いです。
その時の借り方は法人で契約しています。
テナントを借りるイメージと同じで法人で賃貸を借りることが出来るのです。
役員社宅とは
法人で借りた賃貸にはどのような活用方法があるのでしょうか。
例えば
- 仕事をするためのオフィス
- お客様と打ち合わせをするためのスペース
- 商品の在庫や倉庫としての活用
- 従業員のための借上げ社宅
などがあります。
このほかに役員社宅という方法があります。
役員社宅とは社宅の中でも会社の役員が利用する社宅の制度です。
会社員の方であれば社宅という福利厚生があるかと思います。
その制度の役員ver.であると理解してください。
役員社宅のメリットとは
役員社宅にはメリットがいくつかあります。
会社負担分の家賃は全額経費にできる
役員社宅の醍醐味と言えば会社負担分の家賃を全額経費に計上することが出来るという点です。
例えば6万円の賃貸を法人で借りたとします。
その時に法人は5万円負担、役員社宅として住んでいる役員は1万円の負担だったとします。
このうち経費にできるのは5万円の部分です。
そしてこの5万円はすべて経費として認められるのです。
上記の例を個人事業主の場合として当てはめてみましょう。
個人名義で賃貸を借りて家賃を経費として落とす場合、多くても賃貸の5割が限界であると言われています。
なので個人事業主の場合は、もし6万円の賃貸であれば3万円までしか経費として認められないのです。
このように法人は経費として認められる範囲が大きいのです。
社会保険料の節税につながる
役員社宅を利用すると家賃の一部を法人が負担するので、その分役員報酬を引き下げることが出来ます。
例えば毎月10万円の手残りがほしいと考えたとします。
もしここで役員が個人名義で賃貸を借りている場合は20万円から家賃を払います。
なので収支は
20万円(役員報酬)ー約3.5万円(社会保険料や所得税など)=約16.5万円(手取り)
約16.5万円(手取り) ー 6万円(家賃)= 手残り10.5万円
となります。
この時に法人が役員社宅として貸し出していた場合、役員報酬を下げても手残りを同じにすることが出来ます。
14万円(役員報酬) ー 約2.3万円(社会保険料や所得税など)=約11.7万円(手取り)
約11.7万円(手取り) ー 1万円(個人負担分の家賃)= 手残り10.7万円
となります。
「社会保険料や所得税など」の負担額が3.5万円→2.3万円へなりました。
つまり1.2万円の節税が出来たことになります。
ここで疑問が生じます。
どうして源泉徴収で引かれる社会保険料や所得税が低くなっているの?
理由は役員報酬を引き下げることで社会保険料が安くなったからです。
社会保険料は給与に比例するように負担額が大きくなります。
詳しくはコチラで解説しています。
課税所得を低くすることが出来る
課税所得を低くすることが出来ます。
課税所得とは所得税の税金を計算する元になる金額のことです。
給与ー控除=課税所得
この課税所得に所得税の税率をかけて所得税を算出していきます。
例えば役員報酬20万円の人であれば所得税の計算は
20万円(役員報酬) ー 約2万円控除 = 約18万円(課税所得)
約18万円(課税所得)× 所得税率約10% = 約1.8万円(納める所得税)
※正しくは194.9万円までは税率5%、195万円以上は税率10%ですがわかりやすいように簡易的に10%と計算しています
となります。
前章の説明から家賃を法人が払えば役員報酬を引き下げることが出来るとなりました。
なので役員報酬を減らした時の所得税の計算は
15万円(役員報酬) ー 約1.5万円控除 = 約13.5万円(課税所得)
約13.5万円(課税所得)× 所得税率約5% = 約0.68万円(納める所得税)
となります。
つまり役員報酬を下げることで課税所得も減らすことが出来るので結果として所得税を安くすることが出来るのです。
ここで疑問が生じます。
なんで所得税率がさがったの?
よく見てみると役員報酬が20万円の時と15万円の時では所得税率が低くなっています。
理由は所得税の税率は課税所得に応じて税率が決まっているからです。
これによると課税所得が年間194.9万円までであれば税率は5%であることがわかります。
しかし195万円を超えた分に関しては10%の税率が課せられるようです。
なので課税所得を下げると税率も下がるのです。
と言うことは納める所得税も少なくなるので、節税が出来るということになります。
家賃が安くなるのか計算してみよう
法人で借りた賃貸を役員社宅として役員に貸した場合、どのように家賃が安くなるのか考えていきましょう。
ここではマイクロ法人を持っている人を例に挙げていきます。
マイクロ法人って何?という方はコチラを参考にしてください。
前提は
- マイクロ法人を持っていて自分は役員である
- 手残りは15万円ほしい
- 家賃10万円
とします。
もし賃貸を個人名義で契約した場合は自分で支払うことになります。
この時の法人と個人の収支はこのようになります。
【個人】
30万円(役員報酬) ー 約5万円(源泉徴収)=25万円(手取り)
25万円(手取り) ー 10万円(家賃)=15万円(手残り)
【法人】
社会保険の折半で約2.5万円の負担(経費)
家賃の負担がないため収支は0円
次に賃貸を法人名義で契約して、役員社宅として役員に貸し出します。
この時の法人と個人の収支はこのようになります
【個人】
20万円(役員報酬) ー 約3.5万円(源泉徴収)=16.5万円(手取り)
16.5万円(手取り) ー 1万円(家賃)=15.5万円(手残り)
【法人】
社会保険の折半で約1.7万円の負担(経費)
家賃10万円の内9割を負担すると9万円の支出(経費)
では今回の例はいくら節税できたのか考えてみましょう。
仮に法人の純利益を100万円と仮定します。
※わかりやすいように源泉徴収分の経費を事前に差し引いて純利益100万とします。
項目 | 個人名義 | 法人名義 | 節税額 |
---|---|---|---|
源泉徴収額 | 約5万円 | 約3.5万円 | 5万ー3万=2万 |
法人税 | 100万(純利益)÷約20%(法人税)=20万 | 100万(純利益)-9万円(家賃)=91万円 91万÷約20%(法人税)=約18万円 | 20万-18万=2万 |
上記のざっくりとした結果より源泉徴収分と法人税の節税額を足し合わせて毎月4万円節税できるということがわかりました。
と言うことは年間で48万円の節税効果があるということです。
この計算から賃貸を法人名義で契約して、役員社宅として役員に貸し出した時のメリットが見えてきます。
まとめ
前章の例を見ると毎月約4万円節税出来ていることがわかります。
つまり家賃10万円の賃貸に法人で借りると実質7万~6万円で住んでいることと同じです。
法人で賃貸を借りることで賃貸の一部を経費にすることで節税できるの実質2~3割引きで賃貸を借りることが出来るのです。
押さえておきたいポイントは
です。
このようにマイクロ法人は様々な節税メリットがる為、設立しておくと便利です。
しかしマイクロ法人の設立を1人で行おうとすると書類作成などとてもハードルが高いです。
これからマイクロ法人を設立しようとしている方はマネーフォアード会社設立を利用すると便利です。
手順に沿って作成していくだけで最短2週間で法人設立出来ます。
私は以下のマネーフォアード会社設立を利用して会社を作りました。
今回はここまで
それではまた次回!
winter always turns to spring
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